ケアマネジャーの介護計画作成に使用できる主要なWEBシステムをご紹介します。
主要な介護計画作成システム
1.
ケアカルテ
- 居宅介護支援事業所向けの総合システム
- 介護計画書の作成・管理機能が充実
- 給付管理や請求業務も一元化
- 利用者・家族との情報共有機能
2.
ほのぼのNEXT
- NDソフトウェアが提供する老舗システム
- 豊富なテンプレートで計画書作成が効率的
- 他事業所との連携機能
- モバイル対応で訪問先でも利用可能
3.
カイポケ
- 介護事業所向けクラウドサービス
- 計画書作成から請求まで一貫対応
- 初期費用が比較的安価
- サポート体制が充実
4.
ワイズマン
- 大手システム会社の信頼性
- 自治体システムとの連携が強い
- カスタマイズ性が高い
- セキュリティ対策が充実
5.
介舟ファミリー
- 中小事業所に人気
- 直感的な操作性
- コストパフォーマンスが良い
- 定期的なバージョンアップ
選択のポイント
- 事業所規模に応じた機能選択
- 既存システムとの連携可能性
- コストとサポート体制
- セキュリティ対策の充実度
導入前には必ず無料体験やデモンストレーションを受けることをお勧めします。
各システムの利用者評判
実際の利用者レビューや評判をまとめてご紹介します。
各システムの利用者評判
ケアカルテ
良い評価:
- 「直感的で使いやすい画面設計」
- 「サポートの対応が迅速で丁寧」
- 「アップデートが頻繁で機能改善が早い」
課題として挙げられる点:
- 「月額費用がやや高め」
- 「カスタマイズ性に限界がある」
ほのぼのNEXT
良い評価:
- 「長年の実績があり安定している」
- 「機能が豊富で何でもできる」
- 「他システムとの連携が充実」
課題として挙げられる点:
- 「機能が多すぎて慣れるまで時間がかかる」
- 「画面が複雑で新人には難しい」
- 「動作がやや重い時がある」
カイポケ
良い評価:
- 「初期費用が安くて導入しやすい」
- 「シンプルで分かりやすい」
- 「電話サポートが親切」
課題として挙げられる点:
- 「機能がシンプルすぎて物足りない場合も」
- 「大規模事業所には向かない」
ワイズマン
良い評価:
- 「セキュリティがしっかりしている」
- 「自治体との連携がスムーズ」
- 「カスタマイズ対応が柔軟」
課題として挙げられる点:
- 「導入コストが高い」
- 「操作が複雑で習得に時間がかかる」
介舟ファミリー
良い評価:
- 「コストパフォーマンスが良い」
- 「小規模事業所にちょうど良い機能」
- 「操作が簡単」
課題として挙げられる点:
- 「大手に比べて機能面で劣る部分がある」
- 「将来性に不安を感じる」
共通して聞かれる声
- 導入時の研修の充実度が満足度に大きく影響
- サポート体制の質が日常業務に直結
- 他事業所との連携機能の重要性が高まっている
- スマホ・タブレット対応は必須機能
選択の際は、無料体験期間を活用して実際の業務フローで試してみることが重要ですね。
各システムの料金体系
各システムの料金体系について詳しくご説明します。
料金体系比較表
ケアカルテ
- 初期費用: 50,000円~100,000円
- 月額費用: 8,000円~12,000円/月
- 利用者課金: なし(定額制)
- 主要オプション:
- タブレット利用:+2,000円/月
- 外部連携:+3,000円/月
ほのぼのNEXT
- 初期費用: 100,000円~300,000円
- 月額費用: 12,000円~20,000円/月
- 利用者課金: あり(50円~100円/利用者)
- 主要オプション:
- モバイル版:+5,000円/月
- 高度分析機能:+8,000円/月
カイポケ
- 初期費用: 0円~30,000円
- 月額費用: 5,000円~8,000円/月
- 利用者課金: あり(30円~80円/利用者)
- 主要オプション:
- 上位プラン:+3,000円/月
- 専用サポート:+2,000円/月
ワイズマン
- 初期費用: 200,000円~500,000円
- 月額費用: 15,000円~25,000円/月
- 利用者課金: 事業所規模により変動
- 主要オプション:
- カスタマイズ:別途見積もり
- 専用保守:+10,000円/月
介舟ファミリー
- 初期費用: 30,000円~80,000円
- 月額費用: 6,000円~10,000円/月
- 利用者課金: あり(40円~70円/利用者)
- 主要オプション:
- バックアップ強化:+1,500円/月
- 追加ライセンス:+2,000円/月
実際の年間コスト例(利用者50名の事業所)
低コスト重視
- カイポケ: 約12万円/年
- 介舟ファミリー: 約15万円/年
機能重視
- ケアカルテ: 約18万円/年
- ほのぼのNEXT: 約25万円/年
大規模・高機能
- ワイズマン: 約35万円/年~
隠れコストに注意
追加で発生しがちな費用
- 研修費用: 5万円~15万円
- データ移行費用: 10万円~30万円
- カスタマイズ費用: 20万円~100万円
- 保守・サポート費用: 月額の20%~30%追加
契約時の確認ポイント
- 最低契約期間(通常1~3年)
- 解約時のデータ取り出し費用
- バージョンアップ費用の有無
- 利用者数上限と超過時の料金
おすすめの選び方
小規模事業所(利用者30名未満)
→ カイポケ または 介舟ファミリー
中規模事業所(利用者30~100名)
→ ケアカルテ または ほのぼのNEXT
大規模・多機能希望
→ ワイズマン または ほのぼのNEXT
料金だけでなく、業務効率化による人件費削減効果も含めて総合的に判断することが重要ですね。
具体的な料金事例
具体的な料金事例をシナリオ別にご紹介します。
事業所規模別の具体的料金例
小規模事業所(利用者20名)
カイポケの場合
- 初期費用:0円
- 月額基本料:5,000円
- 利用者課金:20名×50円=1,000円
- 月額合計:6,000円(年額7.2万円)
介舟ファミリーの場合
- 初期費用:30,000円
- 月額基本料:6,000円
- 利用者課金:20名×40円=800円
- 月額合計:6,800円(年額11.1万円)
中規模事業所(利用者50名)
ケアカルテの場合
- 初期費用:70,000円
- 月額基本料:10,000円(定額制)
- 利用者課金:なし
- 月額合計:10,000円(年額19万円)
ほのぼのNEXTの場合
- 初期費用:150,000円
- 月額基本料:15,000円
- 利用者課金:50名×80円=4,000円
- 月額合計:19,000円(年額37.8万円)
大規模事業所(利用者100名)
ワイズマンの場合
- 初期費用:300,000円
- 月額基本料:20,000円
- 利用者課金:100名×60円=6,000円
- 月額合計:26,000円(年額61.2万円)
サービス内容による料金変動例
居宅介護支援のみの場合
- 基本プランで十分
- 追加オプション不要
- 月額:5,000円~10,000円
居宅介護支援+訪問介護併設
- 連携機能が必要
- タブレット利用オプション推奨
- 月額:8,000円~15,000円
複数事業所運営の場合
- マルチ事業所対応
- 高度な管理機能
- 月額:15,000円~30,000円
実際の導入事例
A事業所(利用者30名、居宅のみ)
選択システム:カイポケ
- 初期費用:0円
- 月額:7,500円
- 年間総額:9万円
- 「シンプルで十分な機能」
B事業所(利用者60名、複数サービス)
選択システム:ケアカルテ
- 初期費用:80,000円
- 月額:12,000円(オプション込み)
- 年間総額:22.4万円
- 「連携機能が便利」
C事業所(利用者120名、多機能型)
選択システム:ほのぼのNEXT
- 初期費用:250,000円
- 月額:28,000円
- 年間総額:58.6万円
- 「高機能だが操作に慣れが必要」
料金を抑えるコツ
段階的導入
- 基本機能のみでスタート
- 慣れてからオプション追加
- 利用者増加に合わせてプラン変更
複数年契約割引
- 3年契約で10%~15%割引
- 5年契約で20%~25%割引
導入時期の調整
- 年度末は割引キャンペーンが多い
- 複数社同時検討で価格交渉可能
注意すべき料金変動要因
利用者数の変動
- 月中増減は翌月から課金
- 季節変動を考慮した予算設定
機能追加の必要性
- 法改正対応で追加費用
- 他システム連携で追加課金
サポート利用頻度
- 電話サポートは回数制限あり
- 訪問サポートは別途費用
予算計画では、基本料金の1.5倍程度を見込んでおくと安心ですね。
他事業所との連携機能が充実
他事業所との連携機能が充実しているシステムとして、特に評価が高いのは以下の3つです。
1.
ほのぼのNEXT
- 特徴:
他のシステムやサービス事業所とのデータ連携がスムーズに行えることで知られています。
施設間・サービス間での情報共有や、事業所ごとの利用者情報の一元管理が可能です。 - 利用者の声:
「連携先が多く、書類作成やデータ提出が簡単」「他事業所とのやり取りがシステム内で完結できて便利」など、業務効率アップを実感する声が多いです。
2.
ケアカルテ
- 特徴:
外部の医療機関や訪問介護事業所などとのデータ共有・情報連携に力を入れています。
利用者やケアプラン情報を、関係機関と迅速かつ安全にやり取りできる機能が充実しています。 - 利用者の声:
「担当者会議の情報共有が楽」「外部サービスへの連携がスムーズ」といった評判も多数。
3.
ワイズマン
- 特徴:
特に自治体や行政システムとの連携に強く、居宅・施設ともに円滑な情報共有が可能です。
高いセキュリティを維持しつつ、多拠点や多事業所連携にも対応しています。 - 利用者の声:
「行政対応やデータ提出の手間が減った」「セキュリティ面でも安心」といった点が評価されています。
総評:
「ほのぼのNEXT」はとくに他事業所との幅広い連携で高評価。
「ケアカルテ」と「ワイズマン」も外部との安全かつ効率的なデータ共有・連携が特徴です。
業務内容や連携先のシステム状況によって、上記3つの中から選択するのがおすすめです。もし特定の連携先が決まっている場合は、導入前に相互接続の可否なども確認すると間違いがありません。
具体的な連携先や連携できるデータ
それぞれの主要WEBシステムについて、具体的な連携先や連携できるデータの種類は以下の通りです。
ほのぼのNEXT
連携先
- 他の介護サービス事業所(訪問介護、通所介護、福祉用具貸与など)
- 他社の介護システム
- 医療機関・薬局
- 行政(自治体)
連携できるデータの種類
- 利用者基本情報(氏名、住所、連絡先、介護認定情報など)
- ケアプラン内容
- サービス提供票、計画書類
- モニタリング記録、経過記録
- 情報提供書、主治医意見書
- サービス実績情報
ケアカルテ
連携先
- 外部医療機関(病院、クリニックなど)
- 訪問介護事業所
- 薬局
- 他のケアマネジメントシステム
連携できるデータの種類
- 利用者情報(健康状態、医療履歴含む)
- ケアプラン情報
- サービス調整内容
- 訪問記録、バイタルデータ
- 各種報告書
- 連携先への連絡履歴、共有メモ
ワイズマン
連携先
- 自治体(介護保険請求、給付データ連携)
- 行政向けシステム
- 施設系サービス(特養、老健など)
- 他事業所システム
連携できるデータの種類
- 居宅・施設利用者情報
- 行政への提出用データ(請求・給付)
- ケアプラン・介護記録
- 監査・指導対応用の各種データ
- 複数拠点での統合管理データ
まとめ:
- ほのぼのNEXTは、幅広い介護・医療施設や他社システムとの連携に強く、利用者情報やサービスの実績など多様なデータをやり取りできます。
- ケアカルテは、医療・介護の連携に特化し、健康情報や訪問記録など現場情報もリアルタイムで共有可能です。
- ワイズマンは、自治体や行政手続きに強く、法令対応データや多施設にまたがる統括管理がしやすい仕組みです。
ご希望の連携先や業務内容が明確であれば、どのシステムが最も適しているかもさらに具体的にご案内可能です。ご相談ください。
システム連携機能の利用とセキュリティ注意点
各システムの連携機能を利用する際、セキュリティ面で特に注意すべき点は下記の通りです。
1.
アクセス権限の管理
- 利用者や職員ごとに連携できる情報の範囲や操作内容(閲覧・編集等)をしっかり設定しましょう。
- 不要な職員や外部関係者への情報開示を防ぐため、アクセス権は最小限に抑えることが重要です。
2.
個人情報の暗号化
- 利用者情報や医療データなどの機微なデータをやり取りする際は、必ず暗号化通信(TLS/SSLなど)がなされているか確認してください。
- データの保管時も、暗号化ストレージの採用状況を確認しましょう。
3.
データの取り扱いに関する同意・記録
- 医療・介護情報を連携する際は、あらかじめ利用者やご家族から適切な同意を取得し、その記録を管理してください。
- 連携した履歴や記録がシステム内で残る機能があるかもチェックポイントです。
4.
外部連携先のセキュリティ水準の確認
- 連携先の事業所や外部機関も同等以上のセキュリティ対策を講じているか確認しましょう。
- 不明な場合は個人情報や機微情報の送信を控え、必要に応じて連携先に確認を。
5.
ID・パスワード等の認証管理
- 強固なパスワード設定や二要素認証(2FA)の導入を推奨します。
- 定期的なパスワード変更や、退職者などのアカウント無効化の徹底も忘れずに。
6.
定期的な監査・ログ管理
- システム上で「誰が、いつ、どんな情報にアクセスしたか」などの操作ログが残るか確認しましょう。
- 定期的な監査・チェック体制も重要です。
補足
- システム導入時・アップデート時には最新のセキュリティパッチ適用も確認してください。
- 万が一の情報漏えい時の対応マニュアルも作成しておくと安心です。
以上のポイントを押さえることで、連携機能を安心して活用できます。各システムで異なる仕様もあるため、導入時はよくご確認のうえ、運用ルールも併せて整備してください。
各システムが準拠するセキュリティ認証と規格
各システムが準拠しているセキュリティ関連の認証や規格については、公開資料や各社の公式説明に基づくと、以下の点が挙げられます。
1.
ほのぼのNEXT
- 主な認証・準拠規格
・ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム:ISMS)
・プライバシーマーク - 特徴
開発会社であるNDソフトウェアは「ISO27001」および「プライバシーマーク」の取得を公表しており、個人情報の適切な管理と情報セキュリティ体制の整備をアピールしています。
2.
ケアカルテ
- 主な認証・準拠規格
・ISO/IEC 27001(ISMS)
・プライバシーマーク - 特徴
株式会社エヌ・デー・ソフトウェア(ケアカルテ開発元)も情報セキュリティに重点を置き、上記認証を取得しています。
また、医療情報分野については「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に準拠する運用も行われています。
3.
ワイズマン
- 主な認証・準拠規格
・ISO/IEC 27001(ISMS)
・プライバシーマーク - 特徴
株式会社ワイズマンは「ISO27001」および「プライバシーマーク」取得を明記し、公共・福祉分野での情報管理にも十分配慮した体制を持っています。
【補足】
- 他にも、各社は**厚生労働省の「医療・介護情報システムの安全管理ガイドライン」**など、行政が求めるセキュリティ基準にも対応する旨を明言しています。
- 必要に応じて「二要素認証」や「定期監査」「SSL/TLS通信の標準化」など、実装面での安全対策が導入されているケースも多いです。
導入時は、利用するシステムが最新の認証を維持しているか、また医療・介護現場のセキュリティ運用ポリシーと合致しているかも必ずご確認ください。
ご希望のシステムごとに、より詳細な証明書類や運用体制について知りたい場合は、メーカーや販売代理店にお問い合わせいただくのがおすすめです。