ユマニチュード以外のケア手法

6月 13, 2025 | 介護の推移 | 0 comments

By mybran

ユマニチュードおよび、その他の手法のどれがいいか?という観点ではなく、利用者の一人一人の状況にとってどれがマッチしているかは一元的ではありません。そのような観点で参考にしていただければと思います。

ユマニチュードのように、介護現場で「相手の尊厳を守る」「信頼関係を築く」ことを重視した有効なケア手法は他にもいくつかあります。主なものをいくつかご紹介します。


1. パーソン・センタード・ケア(Person-Centered Care)

  • 概要:認知症ケアをはじめ、すべての介護現場で広がっている考え方で、「その人らしさ」を尊重するケアです。
  • 特徴:利用者の生活歴や好み、価値観に配慮し、できること・したいことに寄り添ったケアを行います。
  • :利用者の得意だった家事を役割としてお願いしたり、お気に入りの曲を一緒に聴くなど。

2. バリデーション・テクニック(Validation Technique)

  • 概要:認知症の方の「感情」を受け入れ、共感を表現するケア技法です(ナオミ・フェイルによる)。
  • 特徴:本人の言動や世界観を否定せず、寄り添いながらコミュニケーションをとります。
  • :「帰りたい」と訴える方に対し、「帰りたいのですね。不安なんですね」と気持ちに共感を示す。

3. ノーリフティングケア(No-Lift Care)

  • 概要:できるだけ「持ち上げる」「抱える」介助をしないという方針で、利用者と介護者双方の負担軽減、尊厳保持を目指します。
  • 特徴:福祉用具や環境整備を活用しながら、本人の自立を支援します。

4. リアリティ・オリエンテーション(Reality Orientation)

  • 概要:時間や場所、人物など、「現実」をやさしく何度も伝えて、認知症の進行を緩やかにしたり、不安軽減を図る方法です。
  • 特徴:毎日の声かけや、カレンダー・時計・写真などを活用します。

5. 回想法(Reminiscence Therapy)

  • 概要:昔の写真や音楽、思い出話を通して、楽しかった記憶や自信のあった頃を思い出してもらうケア。
  • 特徴:情緒の安定・自己肯定感の向上・会話の活性化などにつながります。

6. Montessoriメソッド(モンテッソーリ・アプローチ/認知症ケア版)

  • 概要:本来は児童教育のメソッドですが、高齢者ケアに応用されています。
  • 特徴:本人が自分でできることを見つけて主体的に生活できるよう、小さな「役割」や「作業」を与えて支援します。

これらの手法は、ユマニチュードと同じく「その人らしさ」や「尊厳」を守ることを大切にしています。利用者一人ひとりの個性やニーズ、現場の状況に合わせながら、組み合わせて取り入れるとより効果的です。気になる手法があれば、さらに詳しくご説明もできますのでお知らせください。

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